カテゴリ:├ かんがえごと( 98 )

サービスの対価

レッシグ教授の「リモートでプレゼンしたいんだけどなあ」という呼びかけに対して、「おれがプログラム作ってあげますよ、そのかわりうちのクラスのために講演してくださいな」という申し出。そういう物々交換というか、サービスサービス交換ってなんだか楽しそうだ。

コンピュータに触れる人が増えれば、そのうちのある割合の人は自分でソフトウェアを作り出せるわけなので、これからはオーダーメイドのソフトウェアっていうのがどんどん増えていくんじゃないかな。そうやって生み出されたワンオフもののソフトが人のためになるならそれはまたとても嬉しい。それでお礼がいただけるならもっともっと嬉しい。でもお金のやり取りってなるといろいろと七面倒なことになるから…交換はいい方法だと思う。

たとえば僕が床屋さんのホームページにちょこちょことアプリケーションをくっつけてあげて、対価として3ヶ月タダで髪を切ってもらうとか。僕が得意なWebアプリと、彼が得意なWindowsアプリを作りあいっこするとか。

そういうのがなんとなく公開されてて、他の人がまた改造して使ったりとか。まさに世のため人のためのシアワセな世界。
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by tockri | 2005-02-23 10:46 | ├ かんがえごと

陶芸家…

拳銃で脅され遺体を窯で焼いた陶芸家

大事な窯をそんなことに使わされた陶芸家も災難だったけど、先日彼女さんと
「お骨を練って焼いて壷を作るとこれがほんとの骨壷だねえ」
「中身入ってないじゃん」
みたいな話をしていたのでそれが現実になってたみたいな後味の悪さ。
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by tockri | 2005-02-18 09:30 | ├ かんがえごと

やりかたを決めること

少人数で何かを継続的にやっていく方式を、やる前から完璧に決定しなきゃいけないっていう状況は、実はほとんどないはず。

頭が固いくせに想像力が豊かなヒトってのがたまにいて、
「こうすればうまくいく、あーでもそうするとこういう事が起こったりして…」
と勝手に膠着して一歩目を踏み出せなくなったりしている。さらにそういうヒトが二人いて、両者が初めてやることに対して想像だけであーでもないこーでもないと議論…とはいわないか、水掛け論をするなんてのは心底効率が悪い。

「今よりもいいやり方」を作るための重要な条件はメンバーみんなが今のやり方の問題点を実感していること。うまくいかないと判ってから変えた方がいいやり方になるんだから、まずはとりあえずやってみればいいんだ。

最初に決めておくのは、「後でやり方変えるかもしれないからね」っていう合意だけで十分だと思う。
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by tockri | 2005-02-15 11:22 | ├ かんがえごと

なおるくん

子供が病気を治してあげる人形「なおるくん」

なんだろう、この気持ち悪さは。いいのかな、それでいいのかな、っていう違和感が湧いてくる。

ここでたとえば
こんなもの作ったって子供の優しい心が育つどころか、画一化されたアイテムを与えることで画一的に病気が治るなんていうパターンをすりこんでしまってかえって悪影響だ
みたいな、それこそ画一的な脊髄反射批判(ブログ界隈に多いんじゃない?)もアリかもしんないけども、ううん僕が感じた違和感はそういうんじゃない気がする。

名前が「なおるくん」なのが気になるのかな。治るのかよ!って。

なんか、死ななくていつも一定の反応を返してくれるペットロボットに十数万円も出すことや言うことを聞かない赤ん坊をたたいて死なせてしまった母親のニュースやなんかを思い出して漠然と違和感を感じるのだった。

ちゃんと筋道立てて何か言おうとするとうまく言えないので漠然としたまま放っておく。

(2/15追記)
まったく同じ感じ方、書き方をされている方を見つけたので共感のトラックバック。むこうの方が4日も前に書かれています。ぼぼ、僕パクってないよお!
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by tockri | 2005-02-14 19:17 | ├ かんがえごと

がんばれジャストシステム

かやの外からだけど、いち「一太郎・ATOKユーザー」として、応援してますよ。

いや実際一太郎売れなくなったらホントに倒産しちゃうから。世界に誇れる自然言語処理技術と国内の他社がなかなか追いつけない日本語技術(かな漢字変換だけじゃなくって。)を持ってる会社がなんでこんなに弱小なのかといえば、技術以外の部分が下手すぎるから…とか、そういうことになるのかなあ。リスク対策が甘いですよって言われてますよ。ごもっとも。法務の人を増やさなきゃね。

僕も栗原潔さんの見解に全面同意。記者会見などでの主張は、聞く人の心情に訴えるけれど、今回の裁判に勝つのにはいかにも役にたたなそう。法律とか全然詳しくなくてもそう思える。控訴審ではなんとかがんばって特許自体の無効を証明してほしい。

そもそもソフトウェア特許とかやめようよとか、松下はその特許をわざわざ行使するなよとかもお説もっとも。ほんとに心から同意。でも残念ながら今回の裁判でジャストシステムがつぶれちゃうのを防ぐ役にはたたなそう。松下が「影響の大きさを考慮して」とかいって取り下げてくれたりすればいいのだけど。

ところで「訴訟の過程のなかで、和解の話もあったが、とても承伏できるものではなかった」という、その要求はどんなものだったんだろう。気になる。どういういきさつで「当該機能の削除」要求じゃなく「販売停止、製品の廃棄」要求にまでエスカレートしていっちゃったんだろう。

裁判所の中での争点については八木さんの記事が一番わかりやすい。

ちなみに、
c0041583_1032688.gif手元にあったMicrosoft Word 97と2003についてたヘルプモードアイコンはこんなカタチ。いや、これが仮に文字とみなされようが絵とみなされようが、ジャストシステムの件には何にも関係ないんだけども。最初から「それがアイコンかどうか」なんていう争点をもちだすからこんな変な話になっちゃうんじゃないの。

現在の慣習でいったらここにあるものはアイコンだろうし、1989年当時のGUIの権威であったMacTechによればそれはアイコンじゃなかったかもしれない。文字を意匠化した絵が文字として扱われるか、とか言ってるとどんどんわけがわかんなくなる。
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by tockri | 2005-02-09 10:37 | ├ かんがえごと

破綻の証明

江島健太郎さんのブログからトラックバック。記念すべき初トラックバックは大手サイトからでした。
私は大事なことを伝え忘れたようです。

「ロジックは共感のためにある」ということです。裏を返せば「共感の得られないロジックは存在価値がない」あるいは「ロジックの正しさは手段であって目的ではない」ということです。
ふむ。共感=コミュニケーション成功、と読み替えてもよいと思うのでこれには同意。一般相対性理論なんかはあんなにヘンテコな、とても共感できそうにない世界を描いたのに、みんなが認めるロジックに従って数式を変形していった結果だったからみんな受け入れるしかなかった(しぶしぶ共感せざるを得なかった)例になるのかな。
しかし、対人コミュニケーションにおいてロジックが果たす役割はむしろ狭い領域です。
ビジネスでも科学でも恋愛でも、最後は泥臭い人間関係が決め手です。だからこそ、共感を得るには「ロジックの正確さ」よりも「物語の面白さ」なのだということ(それが欺瞞含みだとしても)を伝えたかったのでした。
いや、それはちょっと。ビジネスと恋愛に関してはロジックよりも物語の面白さ、でマルだと思う。ロジカルすぎると却ってうまく行かなかったりするし。でも科学だけは、科学者だけはどんなにつまんない物語だったとしてもロジックと心中しなきゃいけないはず。
ワトソンは今なおゲノム解析こそが人間理解への唯一の道だと思っているでしょうし、世の中の問題は計算やロジックで解決できると思っていることでしょう。
もしもみんなの認めるロジックの積み重ねで「ゲノム解析が人間理解への唯一の道だ」と証明されてしまったら、たとえビジネスマンと恋人達が大声で反対しても科学者だけはそれを信じなければならないはずだ。

もっとも、そんなややこしいことの証明にはどこかで必ず単純系と複雑系の境目みたいなところがあって、その辺りで分岐した別のロジックによる証明が成り立ったりしてやっぱり「ゲノム解析しなくても人間は理解できうる」とか「そもそも人間は理解できない」とかの余地が生まれるんだろうけど。そんなんなくても不確定性原理が恋人達の強い味方になるのかな。

さておいて。

もともと僕が気になっていたのは、例えば物理学上の命題であれば、ロジックの積み重ねで得られた結論が系の境目を乗り越えたことで破綻しているかどうかを知る方法として
  • 実験・観測してみる
という方法があるけれど、哲学上の命題、たとえばヴィトゲンシュタインの「言語を理解するとはこういうことだ」みたいな主張が妥当かどうかを知る方法は
  • 自分の経験に照らし合わせて納得する
しかないんじゃないかってこと。んで、それが仮に納得できたとして、次に来る「ヴィトゲンシュタインによれば理解はこうだから、…世界は人間の意識から成り立っている」みたいな、どうやったって経験に照らし合わせられない命題はどう受け取るべきなのか、ってこと。

ロジックとしてはあってる。あってるんだけど、なんだか境目を乗り越えてるようにも思える。でも確認できない。これが相対性理論の重力レンズみたいに観測可能ならいいのに…!ていうジレンマが起こってるんじゃないのかなあ。
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by tockri | 2005-02-01 02:50 | ├ かんがえごと

アタマの自然体

高校の体育で柔道の先生が言っていた。柔道は相手の重心をいかに崩すかがミソで、最も重心が崩されにくいのはどの方向に力をかけられても対応できる自然体なんだって。


いつも「アタマの自然体」ということを考えている。

体の重心が崩れて傾いてたら転んだりして痛いから自分が崩れてるってわかりやすいけど、思考の重心が崩れて傾いていても、表面的に何も起こらないから自分で気づきにくい。

もともと「批判の精神」を言い出した人が誰なのか残念ながら僕は知らない。でも世の中の事象に対して「あれ?それはちょっと理不尽じゃないか、道理に適ってないんじゃないか、論理的にまちがってないか」と気づいて批判するのには、気づくだけの知識、常識、論理性が必要だというのはみんな知ってること。

自分はそういうのに秀でてるぜとアピールしたい人にありがちなのは、最初から「よーし批判してやるぜ、ツッコミどころ探しちゃうぜ」と思いっきり身構えてあたってしまうパターン。最初からそっちの方向に重心が傾いてるから、ちょっときっかけがあればゴロゴロと転がっていってしまう。

また言い返してこない個人や大きな団体なんかのアラを探して「批判」するのって気持ちいいんだこれが。自分がその対象より偉くなった気分を満喫してゴロゴロゴロ。さらにその中でちょっと洒落たレトリックや皮肉げな言い回しなんかが使えると気持ちよすぎて病みつきになってしまう。

もちろん、読んでいて「ははぁ、なるほどねえ」とうなづくことも多いのだけど、ツッコミどころを探すのに夢中になるあまり、ブログの見出しとか他の誰かの書き込みとかグーグル先生とか、そういう少しの材料だけであとは妄想で育てた瑕疵に対して力一杯こきおろしてるんじゃないのかと思うことも多い。気持ちよさそう。「鬼の首取ったように」ってほんと上手い比喩だなあ。昔のヒトさすが。


で、自然体のハナシ。

人の意見や世の中の事象に対してとるべき態度は、まずはアタマを自然体にして一生懸命それを理解しようとすることだと思う。

その上で、自分のその時点でもっている知識と常識と論理のアンテナにひっかかったものがあれば批判し、とくになければ「その通りだな」と賛同すればいい。下手に背伸びするとよくない。

あと、自然体で向き合っていないと、最初にみつけた細かくてわかりやすい点に対して夢中になって転がっていってしまって、周囲の状況とかいろいろ含めた大きくて気づきにくくて最も重要な点を見逃しやすいのにも注意したい。
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by tockri | 2005-01-30 16:16 | ├ かんがえごと

要素の単純な総和は全体と等しくない

江島健太郎さんのブログで4回にわたって哲学的なオハナシが連載されてた。これ系のハナシが好きな割に片手で足りる程度しか本を読んでないので知らない人の名前とか出されても「ふ~ん」て思ってしまうのだけど。
ウィーン生まれの理論生物学者ルートヴィッヒ・フォン・ベルタランフィによって、今日の科学においてもっとも重要な命題、「要素の単純な総和は全体と等しくない」という立場が初めてはっきり打ち出された。
こういうの読んでてよく哲学のヒトって「○○(人の名前)によれば…である」っていうふうに他の人の言及を前提として自分の論理を構築していくよねえ、あれがちょっと気になってきた。もちろん、本人はその○○さんの書いたものよく読んで理解してるんだろうし、自分でイチから構築してたらあとに出る本ほど分厚くなっちゃうから論理を引用するのはかまわないんだけども。

ただこうやってどんどん連鎖していくと、あとの方にでてきた、より複雑な事象に対する論理っていうのは前に誰かが言及した単純な事象に対する論理を前提としていて、「要素の単純な総和」になってしまうんじゃないかな。それは「全体」を実は正しく説明できてないんじゃないだろうか。

物理をかじったものにしてみれば、ミクロ系で正しいと思える理論をつみかさねてマクロ系になった途端に破綻するなんていうのはすごく納得できるハナシなので、哲学的な思索のつみかさねが、一般的に想像不可能なレベルに複雑になったときにそれはどうやって破綻してないことを証明すればいいんだろうって心配になったのだった。
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by tockri | 2005-01-29 09:59 | ├ かんがえごと
 
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