要望モデル

システム屋がいう愚痴ランキングのトップは「顧客が言うことをころころ変える」で、二番は「前はそれでいいって言ってたのに今になって」というもの。

でもそれを愚痴るというのは、ほんとはおかしい。だって、顧客の要求って言うのは、本来的にそういうモノなんだから。


ちょうど、ギターの弦を張るのに似ている。

ギターというのは、ネックが反ろうとする力と6本の弦の張力の合計がつりあって、決まった音程を出すようになっている。

ギターに新しい弦を張るとき、1本ずつ穴に通して軽く張っておき、次に全部の弦が大まかに本来の音程近くになるようにざっくりと締める。1本だけ完璧な音程になるように締め込んでしまうのは全くの無意味だ。次の1本を張るだけで、弦の合計張力が大きくなり、最初に張った1本がどろどろに緩んでしまうから。

6本の弦が本来の音程付近まできたら、次は全ての弦が本来の音程にちゃんと合うように少しずつ調節しながら締めていく。だいたいこんなもんかな、というところで5弦(A)を440Hzの音叉と合わせ、5弦を中心にそのほかの弦を合わせていく。このときも、1本を締めると他の5本が緩む、の繰り返しなので、じわじわと「正解」に近づけていく。

音程がほとんどあっている、というところまできたら、最終的にぴったり合わせるために「うなり」を利用する。音叉が440Hzで鳴っていて、5弦の解放音が442Hzで鳴ると、よく聴くと「ウワンウワンウワン」と、1秒間に2回のうなりが聞こえる。このうなりを完全になくすと5弦が正しく440Hzで鳴っていることになる。このようにして隣り合う弦同士が調和するように微調整してドレミファソラシドが正しく出ればできあがり。

しかし、張ったばかりの弦は引っ張り続けると延びやすい為、1、2曲弾いてはまた調律し、の繰り返しでじょじょになじませていかなければならない。


顧客の要望に応えることについて考えると、
  • 一方を顧客の要望通りにすれば、要望の方が変化して先に終わったと思っていた方に新しく要望が発生する
  • 各フェイズごとに「うん、これでいい」というための方法も違うし求める品質も違う
  • 顧客(楽器)自身はどの状態が一番正しいのか知らない。わかるのは、「あ、これでできあがりだ」という感触だけ
  • 自分から勝手に鳴ることはない。とりあえず張って、こちらが弾いて鳴らさないと全くの無音。
  • いったん出来たと思っても少しするとまた要望がでてくる
というのは当たり前のことなんだ。
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by tockri | 2006-04-29 11:04 | ├ コンピュータ
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