ツリー脳の恐怖

c0041583_14451914.jpgものごとの把握の仕方として、ツリー構造っていうものがある。

ツリー構造の特徴は
1. たくさんの「ノード」が親子関係をもってつながっている
2. どのノードからでも「親」のそのまた「親」の・・・とたどっていくと必ず一つの特定のノード(ルート)に行き着き、そのルートには「親」がない
3. あるノードに対して「親」は必ず一つしかない

ちょっと冷静に考えれば誰にだって自明なことだけれど、世の中のいろんなコトは、ツリー構造になっていない。また、ツリー構造を強く押し付けられるとうまくいかなくなることが多い。

例えば何か悪いことが起こった原因は何かとたどっていったら他の悪いことの原因にもなっていたとき、因果関係がツリー構造になっているに違いない、なんて誰も思わない、でしょ。でしょでしょ。だって物事の原因が一つであるはずなんてないんだから。「起こった悪いこと」をルートとして原因をツリー状に並べる考え方もあるけどそれだって変だ。一つの原因が一つの事象しか引き起こさないなんてはずがないし、一方向の因果関係では3すくみとか悪循環とかが表現できない。

会社の組織だってツリーに見えるけれど、実際には一人の子ノード(担当者)が複数の親ノード(上司)に判断を支配されていることなんてざらだし、ITシステム方面からたどっていったらかなり上位のノードであるひとが、人事方面からたどっていったら下位の下位のノードだったりとか。

ちなみにコンサルタントの提示する「人事モデル」みたいなツリー構造は経営トップに対しては納得感が強い。なぜなら経営トップはその提示された構造でもトップに位置づけられて自分の視点からは違和感を感じないから。そのモデルを提示された組織の下位の人は「わかってねえなあ現場はそんな単純じゃねんだよ」という。


厳密にツリー構造であるものなんて世の中にほとんどないというのに、ついついツリー構造を仮定してしまう脳の働きがあって、この恐ろしい「ツリー脳」になってしまうと以下のような思考パターンに陥る。
・AがBの原因なのは明らかなんだから、他の原因があるはずがない
・AはBに影響を与えてBはCに影響を与えるツリーなのだから、CがAに影響を与えるはずがない
・Aは全ての根源なのだ、Aを解決すれば全てがうまくいくのだ
・こんなにいろいろ悪いことが起こるということは、きっと根源となる唯一の原因があるに違いない

複数人でツリー構造という前提を共有してしまった場合、議論はたいてい不毛になる。
ツリー脳に侵された人をだますのは簡単だ。
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by tockri | 2006-02-07 13:09 | ├ かんがえごと
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