営業に必要な「目」

ITmedia PCUPdate レノボ・ジャパン ブランド&マーケティング担当執行役員インタビューより。

荒川 いえ、日本でも一般に販売することを決めたのは、実は発表(6月8日)のわずか1カ月前です。それまでは、
(中略)
お客様からタブレットPCのご要望をいただいたときにはご提供できるような、単なる品揃えの一部として持っておこうというレベルでした。

ITmedia それが変わったのはなぜでしょう。

荒川 X41 Tabletの実物を見たからです。見てすぐに『これは売れる』と思ったし、真っ先に自分用に欲しいと思いました。これまでTシリーズやXシリーズを何台も自分用に買い換えてきましたが、X41 Tabletの実物を見て触っていると、こんな使い方ができる、あんな使い方もできると、具体的な活用方法のイメージが自分の中でどんどん膨らんでいくのです。
ここを読んだとき「ムカッ」と来たのは、ハードとソフトの違いこそあれ、僕にメーカー開発者の経験があったからだと思う。

ノートPCの開発フローがどうなっているかは知らないけれど、発表のおよそ1年前ぐらいにはコンセプトがだいたい出来上がっていて、3ヶ月前ぐらいにはプロトタイプとかテスト機とか、そういうものがおそらく社内にはあるはずで、その頃には「つくる」側の人間は、いろんな使い方やそれがもたらす素晴らしい世界をかなり具体的にイメージしてるわけだ。

「売る」側の人間は、もっともお客様の近くにいるスタッフとして、開発者の独りよがりを制御したり、一般にアピールする売り方を考えたり、売り物が出来る前にもいろいろとすることがある。本当なら、お客様を良く知る「売る人」は、製品がお客様にもたらすステキな世界を開発者以上に具体的に描かなければいけないはずだ。

それなのに、発表1ヶ月前に実機を見て触って初めてこんな使い方ができる、あんな使い方もできると、具体的な活用方法のイメージが自分の中でどんどん膨らんでいくだって?

それじゃあ発売されてからしか文句が言えない一般人と変わらないんだってば。

出来上がりがまだ無い状態でも、足りない部分を想像力で補ってその製品が実現する世界(あるいはその製品じゃあ実現できないこと)を描ける、そういう能力が、ものづくり企業の営業とか企画とかといったセクションには必要なんじゃないかと思うわけだ。

それなのに、無邪気に
X41 Tabletの記者発表の際には実際にX41 Tabletを使ってプレゼンを行いましたが(記者発表会の記事を参照)、実はそれをやろうと言い出したのは私です。
なんて自慢話をして、「自分の目は確かだった」的な主張をするこの方には、僕はどうしてもひっかかりを覚えてしまうのだ。むしろ数ヶ月前の時点の自分に見る目が無さすぎたことを恥じるのが本当だと思う。

まあ、「企画とか役員とかって人たちに想像力とか製品を見る目が無いのは普通のことで、そういう人が出来上がりの実物を見た瞬間手のひらを返して誉めそやすのが快感」という開発者心理はよくわかるんだけどね。
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by tockri | 2005-08-01 14:57 | ├ コンピュータ
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