製造工場の安全の話

JRがこれから頑張って安全への取り組みをさらに強化するための「リソース配分」をめったやたらに邪魔しないほうがいいのになあ、なんて思うわけです。

昨日のハナシにトラックバックしてくださったふぉーりん・あとにーの憂鬱: 読んでみたい記事より。
実際には、「安全」のためなら、予算、人員あるいは時間というリソースを無限に使っていいわけではありません。有限のリソースを、どうやって振り分けていくことが最適なのか、というおいそれと答えの出ない選択問題のはずです。




さて、47thさんの記事からはさらにずれることになるけれど、製造業に中途入社して工場実習で安全について学んだので、「安全」と「利益」の両立ということについて書いてみる。


工場には一日いくつ生産するというノルマが課せられている。何百人、何千人という人員が40秒程度のクロックで同じ作業を何百回も繰り返すうちには負荷のかかる場所ではちょっとした怪我や事故が起こりやすくなる。

そりゃあ巨大な質量がすごいスピードで動いている近くで作業をするんだから考えられる限りに安全になってないと生産なんてできないわけで、当然柵があったり非常停止装置があったりいろんなルールがあったり安全責任者の見回りがあったりとシステム的な施策がいろいろうたれている。結果として、事故も、ちょっとした怪我すらも、ほとんど起こらない環境になっている。

その上で、コストカットやミスの軽減による生産性向上を追求して様々な工夫をこらしていく。安全を確保することによるスピードアップ効果なんかも工夫のうちに入る。


仮にそういう状態で事故が起こったとして、外部の人から「安全より利益を優先するのか、ノルマを減らしてクロックを下げれば怪我は起きないだろう」なんて無責任に言われたとしたら、あまりにも単純すぎて腹が立ってしまうだろう。

僕がいた工場では、安全と利益はトレードオフではなく、両立するものだった。なぜなら安全を軽視しても利益はあがらないから。そう、教え込まれた。現在のスピードが出せるようになったのは今までの安全確保などの工夫の積み重ねのおかげなのだと教わった。

JRに限らず電車屋さんや飛行機屋さんの「安全」への感覚も僕が実習を受けた工場に近いものなんじゃないかと思う。



ただ、僕の実習中、先輩作業員の皆さんはこう言ってくれた。
「作業時間足りなくなったら無理しないでライン止めていいから。怪我したらつまんないだろ。俺らがフォローするから。」
何度もライン止めましたごめんなさい…

電車屋さんや飛行機屋さんの「安全」との付き合い方が、そういう個々の意識レベルでも僕が学んだ工場に近いであろうことを願う。
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by tockri | 2005-05-07 10:43 | ├ かんがえごと
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